よもぎ話

私にとってよもぎという植物はかなり思い出深い植物だ。
とはいっても、よもぎを育てていたからとかそういう意味ではなくて、よもぎにまつわる私の思い出はあまりにも衝撃的であり脳裏に焼き付いていたのだ。

私は小さな頃祖母と一緒に暮らしていたのだが、祖母は野草を取るのが大好きだった。
その野草は食べられるものなら何でもOKというタイプだったが、その中でもよもぎの食卓に並ぶ率はとても高かった。

最初の頃はよもぎがそこまで美味しいものだと思ったことはなかったが、食べているうちにだんだんと美味しいと感じるようになり、団子にしたら特においしい。
なんなら好物になっていたぐらいだった。

しかしある時、祖母がよもぎを取っているのを見かけたのだが、そのよもぎが生えている場所は近所でも有名な野良犬のトイレスポットだったのだ。
祖母がそのことを知らなかったのか、それとも知っていて全く気にしなかったのかも分からない。
ただひとつ言えることは、それから私はよもぎを食べるのが嫌になった。

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